新しい買いたいを創るための顧客体験設計

“価値創生CX”

日々の暮らしの中にある“未充足な課題・目的”に気付きを与え、
新たな解決行動=購買行動を促す。
さらにその先で、暮らしを変え、新たな生活習慣を
定着させるまでをスコープに入れた顧客体験設計。

なぜ今CX(顧客体験)を
見直すべきなのか?

顧客体験

近年のデジタル化、そしてAI技術の急速な進化と普及により、生活者の購買行動は大きく変化しています。商品情報や価格、評判などを容易に比較検討できるようになっただけでなく、その過程では個々の嗜好に合わせて生成された情報に触れたり、レコメンドをされる環境が当たり前になりました。

その結果、従来の広告中心のマーケティングのみでは購買行動を生み出しにくくなっています。

さらに、市場全体が成熟傾向にある現代社会では、多くの商品がすでに生活者の基本的なニーズを満たしています。そのため、新しい需要を生み出すには、生活者のパーセプション(購買に至るまでの認識・態度)や行動そのものを変えていく必要があります。

だからこそ、単に「商品を売る」という発想から、生活の中で新たな課題や価値への気づきを生み出し、行動変容や習慣化までを視野に入れた顧客体験設計 ――すなわち「価値創生CX」が、これからのマーケティングにおいて重要になっています。

価値創生CXアプローチ

価値創生CX

生活者のパーセプション(購買に至るまでの認識・態度)を変え、
新たな解決行動(購買・使用)を
生み出すことを主眼に置いた一連の体験設計デザイン。

価値創生CX

商品の認知や興味を喚起する以前に、解決すべき課題や新しい価値の
認識そのものを立ち上げることから始まる顧客体験設計。
このプロセスを通じて、生活者の中に「○○が欲しい」「○○を実現したい」といった“選択軸”が顕在化し、
その受け皿として商品が位置づけられることを目指していきます。
さらにその先では、商品を継続して使い続けたくなるような体験や環境を整備していくことで、
その消費行動は日々の生活の中で習慣として定着していきます。
そして、その行動様式が人々の暮らしの中に自然に組み込まれ、
普遍的な生活文化として社会に根付いていくことが、価値創生CXの最終目標です。

価値創生CX 実践プロセス

生活者が日常の中で「こう在りたい」「こうなりたい」と無意識に抱えている課題や目的を見つけ出します。表面的なニーズではなく、「生活者が本当に達成したいこと」や「解決したい状況」に着目し、商品やサービスが果たすべき役割を明確にします。

特定した未充足な課題・目的を分解し、生活者がその課題にどのように向き合い、どのような認識や行動を経て解決に至るのかを整理します。問いを通じて気づきや納得を生み出し、パーセプションを変えることで、新しい行動や習慣化へとつながる「パーセプションシナリオ」を設計します。

設計したシナリオを具体的な顧客体験(CX)として実装します。「ヒト」「トキ」「モノ」「コト」といった要素から商品が生み出す価値の因果関係を整理し、関係するステークホルダーを巻き込みながら情報伝播モデルや価値創生エコシステムを構築します。従来の広告、マスPR、店頭POPなどのマーケティングコミュニケーションレベルではなく、店員の接客マニュアルやカスタマーサービスのオペレーション、他業種とのコラボレーションまで、生活者との接点すべてを視野にいれて設定していきます。

最終的には商品やサービスが単なる利用にとどまらず、生活の中で習慣として定着し、新たな生活文化を生み出す存在となることを目指します。ブランドが生活文化を支えるキープレイヤーとして機能する状態を実現します。

価値創生CXの実践プロセス全体図

価値創生CX

こんな時には、
価値創生CX発想を

価値創生CXのアプローチは、
以下に挙げたようなシーンで有効に機能します。

  • 1. CX発想を活かした新商品開発

    近年、多くの商品カテゴリーにおいて機能・性能面での差別化は高度化しており、その結果として追加される機能が、マスターゲットにとっては必ずしも本質的な価値とは言えないニッチな要件になってしまうケースも少なくありません。そのような状況下、商品スペックそのものではなく、競合製品との差別化の軸として価値創生CXを位置づけることが重要になります。
    例えば、商品単体では十分に提供できない価値を、さまざまなモノやコトを組み合わせたSaaSとして統合し、顧客の生活の中で意味のある体験として仕上げていく。その設計図として、価値創生CXの実践プロセスを活用します。

  • 2. CX起点で考える商品リニュアル

    一定数のユーザーが定着している商品においては、商品そのものを大きく変更することが既存ユーザーの離反を招く恐れもあり、抜本的な改変にはなかなか踏み切れないのが実情です。そのような場合、商品の仕様やスペックを変更するのではなく、顧客体験を再設計することで商品の価値を再構築していきます。これにより、新たなターゲット層に対して価値への気づきを生み出すことにもつながり、商品の再成長のきっかけをつくることができます。

  • 3. より確度の高い
    テストマーケティング

    新製品の市場投入前に欠かせないテストマーケティングにおいて、商品単体の評価にとどまらず、顧客体験までを含めた理想的な社会実装環境の中で商品価値を検証します。これにより、本来であれば発揮されるはずのポテンシャルが十分に反映されないまま商品価値を過小評価してしまい、結果として市場投入の判断を誤るといったリスクを回避することができます。

  • 4. 価値創生CX発想の
    コミュニケーション戦略

    単に広告で商品特長や差別化ポイントを訴求するのではなく、顧客の課題や利用シーンを起点に、価値への気づきから行動、そして習慣化に至るまでのプロセス全体を設計します。
    さらに、情報の発信者(専門家など)や拡散者(インフルエンサー)、実装される場所・メディアを含めて最適なステークホルダーを選定し、その文脈に沿った体験を社会実装していきます。こうした設計により、生活者の中に「解決すべき課題」としての認識を立ち上げ、それが共感や共有を通じて社会全体へ広がっていく流れを生み出すことで、コミュニケーションを単なるメッセージ発信にとどめず、価値を社会の中に定着させていきます。

  • 5. AIO対策(AIに参照される)

    AIO(AI最適化)対策において重要なのは、AIが参照しやすい形で「顧客価値」と「信頼できる情報」を整理・発信することです。価値創生CXは、顧客の目的や利用シーンを起点に価値を定義し、エビデンスや体験価値として体系化していくため、AIが理解・引用しやすい情報構造をつくることができます。また、専門家(KOL)やステークホルダーとの連携を通じて信頼性を高めることで、AIによる回答生成や推薦の中で参照されやすくなります。さらに、顧客体験を一貫したストーリーとして整理することで、検索やAIアシスタント経由での情報接触時にも価値が伝わりやすくなり、ブランド想起や選択につながる点でも有効です。

書籍紹介
  • マーケティング担当者向け

至高のCX 生活文化の形成を見据えた「新しい顧客体験」の戦略と実装

発行所 翔泳社
発行日 2026年5月25日(月)
定 価 本体2,200円+税
著 者 TOPPAN×インテグレートCX研究プロジェクト(服部憲、亀井光則、川又大二郎、白井俊行、藤田康人)

  • マーケティング担当者向け
 

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