Column コラム

【PR解体"信書" to ワタナベ】
Vol.4-3「発想法『画像』と『言葉』で考える」

2010.11.09

20101109 や:ワタナベ、「いま、食べたいものは何?」
わ:えっ?なんですか唐突に。
や:余計なことは考えるな。とにかく、いま何が食べたい?
わ:ご馳走してくれるんですか?
や:いいから早く!答えて!
わ:えっ、えっ、えっ、どうしよ。おでん!!
や:おでん。どんな?
わ:セブンイレブンのおでん。
  しまった!もっと高いものにすればよかった。ぐやしい~!
や:落ち着けワタナベ。これは、今日のテーマに関わる話だ。
わ:ほぇ?
や:ほぇって...。
  さっき「いま食べたいものは?」って聞かれて「おでん」と答えたよな。
  なぜ、「おでん」が思い浮かんだ?
わ:なぜって言われても...、今朝、会社に来るとき、結構寒かったんですよ。
  こんな日は「おでんの気分だなあ~」って先輩と話していたんです。
  そしたら、いきなり「何食べたい?」って質問されて思わず...。
や:「おでん」と。
わ:はい。
や:おでんは「言葉」が浮かんだ感じ?それともおでんの「画像」が浮かんできた?
わ:セブンイレブンのおでんの「画像」が思い浮かびました。
や:それが今日のテーマだ。
  「PR解体信書/発想編」、今日は「画像(エ)と文字(モジ)で考える」だ。


以前、感性工学の専門家から人間はすべての物事を「画像」で憶えているという話を聞いたことがある。
つまり、僕らは物事を「言葉」で記憶しているわけではないんだと。
例えば、「ビートたけし」という人物について考えてみよう。
僕らは「ビートだけし」をコトバ、文字情報で記憶しているのではなく、まず「ビートたけし」という画像を憶えている。
だから、「ビートたけし」と聞くと、最初に思い浮かぶのは画像なんだ。
その画像に、世界的な映画監督だとか、ビートきよしと漫才コンビを組んでいただとか、東国原知事の師匠だとか、いろんな情報が紐付けてくる。
画像を思い出せば、その後から文字情報は引き出されるというわけだ。
松岡正剛さんに言わせれば、情報の「地」(groundいわば、情報の背景)と情報の「図」(figureいわば、情報の絵柄)だ。
地続きの背景情報はあまりにも膨大なので、普段は記憶の中でも水面下に沈んでいる。
人間が意識しているのは絵柄の方だ。

さっきの「おでん」で言えば、何が食べたいという質問に、答えるときには、まずは画が浮かんできて、そして「あったかくておいしい記憶」が追いかけて来て、ワタナベは思わず「おでんが食べたい!」と叫んだわけだ。
一方で、「なぜ、おでんなの?」と理由が聞かれると、実は今日は気温が低く、肌寒い。こういう日には、暖かいものがうれしい。そう言えば、今年まだおでん食べてなかったなあ。
これらすべて「文字」で、論理的に因果関係を整理していく作業になる。
この画で捉える、文字で整理する感覚を掴んで欲しい。


では、いよいよ本題だ。
この思考法をPRにどう活用するか。
大切なのは「ゴール・イメージ」の捉え方だ。
「ゴール・イメージ」って、よく言うけど、果たして何をイメージできているだろうか。
「今回の企画のゴール・イメージは何だ?」と聞かれて、企画書の中にある「目標」「目的」を読み上げる奴がいる。
僕に言わせれば、そんなのイメージでも何でもない。
「ゴール・イメージ」はまるでテレビや映画でも見るように「画像」で状況や場面が見えてないと駄目だ。

しかも、PRマンに留意してもらいたいのは、ゴール・イメージは、決して露出イメージじゃないということ。
PRマンはゴールと言うと、すぐに「紙面」や「番組(画面)」をイメージしてしまう。
それは初級編~中級編としては大事だよ。
但し、僕らが本当に想像しなきゃいけないのは、その先の消費者の動きや店頭の様子だ。
消費者がどんな風に受け止めて、どのくらい反響が起こっているのか。
その姿をいかにイメージできるか、過去の経験から呼び起こすかが勝負なんだ。

反面、そのゴールに向かうための条件は、「文字」で整理しながら組み上げていく。
それは、広大な情報の原っぱを辿りながら、成功への道筋を確かめていく。

ワタナベ、「画」と「文字」両方で考えられるようになってくれ。