Column コラム

【PR解体"信書" to ワタナベ】
Vol.4-2「発想法 "世の中事"と"私事"」

2010.10.26

や:ワタナベ、物事の見方、捉え方は人それぞれ違うよな。
わ:はい。
や:ワタナベ、俺と同じ花を見て美しいと言えるか。
わ:はあ?
や:あのとき、同じ花を見て美しいと言った二人の
わ:...
や:ココロとココロが~♪
わ:...
や:♪いまは、もう通わない♪♪
  ♪あの素晴らしい愛をもう一度~♪♪
  ♪あの素晴らしい愛をもう一度~♪♪
  ♪あの...
わ:あの、もういいです!!
や:...さあ、始めよっか。PR解体信書。
  発想法編の2回目となる今日のテーマは、PRのアングル「世の中事(ヨノナカゴト)」「私事(ワタクシゴト)」。
  ワタナベ、しっかりついてきなさい!
わ:はい!


や:ワタナベ、さっきも言いかけたけど、モノの見方、捉え方というのは、人それぞれに違うよな。
  同じ人間でも、その時々によって変化する。
  これを一言で言うと「アングル」。
  そう、カメラなんかでよく使うコトバだけど、「角度」「観点」という意味だ。
  同じ物事でも、前から見るのと、横から見るのと、上から見るのと...角度を変えると違った風景に見える。
  ワタナベ、鳥瞰(ちょうかん)とか、俯瞰(ふかん)って聞いたことがあるだろ。
わ:はい。鳥瞰(ちょうかん)、鳥のように空の上から眺めるっていう意味かと。
や:その通り。
  地面を這う虫の目線、つまり虫瞰(ちゅうかん)なんて言葉もある。
  これは「観点」の違いだ。
  マーケティングで調査や情報収集に大事なのは、この「観点」だ。
  「観点」が間違っていたら、いくら時間をかけて調べても、的外れな結果しか見えてこない。
  まず、このモノの捉え方「アングル(観点)」の感覚を掴んで欲しい。
わ:わかりました!!
や:よし。
  では、PRを考える上で大事なアングル、「世の中事(ヨノナカゴト)」「私事(ワタクシゴト)」に話を進めよう。


マーケティング・コミュニケーションでは、ターゲットの態度変容を生みだす、大事なココロの動きを「自分事化(ジブンゴトカ)」なんて言う。
つまり、他人事ではなく、自分に関係のある話じゃないと、人は興味関心を示さない。
自分に関係ないと思えば「私には関係ないわ」と聞く耳をもってくれない。
(ワタナベ、このあたりを詳しく書いているのが「自分ごと人は動く/ダイヤモンド社」だ、チェックしとけ)

さらに、PRで重視するのが、パブリックつまり、皆さんに関わる大事ですよという「世の中事(ヨノナカゴト)」と、一個人の大事である「私事(ワタクシゴト)」のアングルだ。
つまり、
【消費者のインサイトを考える上で大事なアングルが】
「他人事」⇔「自分事」だとすると、
 【ソーシャルインサイトを考えで大事なアングルが】
「世 事」⇔「私 事」だ。

この話をすると、「なるほど『世の中事』、つまりパブリックな問題でないとPRはできないということですね」、と言う人がいるけど、PRはそれほど単純じゃない。
例えば、広末涼子がキャンドル・アーティストと入籍したことは、広末涼子の「私事(ワタクシゴト)」の極みだけど、メディアは大きく取り上げる。
それはなぜか。
彼女の存在が「世の中事」だからだ。
公人に限らず、存在が「世の中事」の人の行動は報道される可能性が高い。 

さらに、品川区在住の山田さんの悩み。
有名人で公人でもない、普通のおっさんの「私事」。
それでもメディアが取り上げることがある。
それはなぜか。
山田さんが抱える悩みと同じような悩みをもっているおっさんが世の中にはたくさんいるとメディアが判断したからだ。
つまり「世の中事」を記事にするための具体的な事例として山田さんの話が使えると判断したということになる。
読者が共感してくれる話ならメディアは「私事」でも取り上げるわけだ。

「PR発想」として、身につけて欲しいのは、この2つのアングル「世事」と「私事」の行ったり、来たりを使い分けることだ。

それをどうやって身につけるかって?

いいかい。
まず「世の中事」については、いま、ワタナベが取り組んでくれていると思うけど、新聞記者、雑誌編集者、テレビの記者や制作者など、マスコミの「観点」を把握すること。
そのためには、記事、番組を研究しながら、彼らの意見に耳を傾けることが大事だね。
さらに、世論調査や学術情報、企業情報を含めて、メディアの観点を計算しながら、その情報を評価することも重要だ。
これが「世の中事」のアングルを身につけるためのプロセスだと思う。

一方で「私事」の方は、何よりもターゲットへのインタビューの経験を積むこと。
最初はインタビューに同席したり、立ち合うところからはじめる。
消費者のニーズや購買の動機付けについて、耳を傾ける機会は貴重だよ。
それと仕事の場面に限らず、家族や友達、もっと言えば、ワタナベ自身も消費者でもあるわけだから、いつも「自分がもし一人の消費者なら...」というアングルを忘れないことだ。
買い物に行ったとき、食事に行ったときに、映画を観に行ったとき、旅行に出かけたとき、いつでも「買いたいなあ」「気になるなあ」と感じたことを忘れないようにしておく。
あと、消費者の感覚に鋭敏な流通関係者やライフスタイル誌の編集者との意見交換も刺激になると思うよ。


がんばれ!ワタナベ。