Column コラム

【PR解体"信書" to ワタナベ】
Vol.3(前編)「『伝える』から『動かす』へ」

2010.06.15

今から数年前の話ですが、ベテランPR女史KURE("くれ")さんと話していたときのことです。
「うちの考えるPRって、他社さんとは違うのかな?」と尋ねたことがあります。
「うーん。違うと思いますよ。」という返事。
彼女曰く「"出ました!!"って露出の報告したときに、手放しで誉められたことないですから。」
「必ず、それでどうなったの?反響は?売れたの?...って聞かれます。そこが他社さんとは違うところだと思いますよ。」
その時も、「でもそれって、あたりまえのことだ」と思った記憶があります。

ということで、PR解体信書Vol.3、いよいよ本題に入ります。

まずはPRのゴールイメージについて。
「伝える」から「動かす」へ。


「ワタナベ、昨日サッカー観たか?岡田ジャパンがんばったな!!俺はジーンときたぞ」
「カメルーンが弱すぎたという説もありますけど。」
「... ... そんなことより、PRの勉強するぞ!お前は山田ジャパンの一員だ!!」
「... ...」
「苦い顔すんな!ワタナベ」


よーし、今日はコミュニケーションの"ゴールイメージ"について、話をするぞ。
これはPRを考える上で最初のステップだ。

ここで問題です!
AさんからBさんへのコミュニケーション(働きかけ)を想定してください。
このコミュニケーション(働きかけ)の目的は何でしょう?
①Aさんが、Aさんの「想い」「考え」をBさんに伝えること
②Aさんの「想い」「考え」がBさんに伝わること
③Bさんが、Aさんの望むように気持ちを動かし、行動を起こすこと

さて、どれでしょう。ワタナベ、どう思う?

実は、3つとも「正解」なんだ。
けれど、それぞれレベルが違うことがわかるよな。
20100615 ①が実現しないと②にならないし、③を引き出すには①②は不可欠とも言える。
ただし、"ゴールイメージ"という意味では③が正解。
僕らがゴールを想像するのは、そこから逆算で戦略を組み立てるため。
だから、最終的な「ゴール」つまり、鮮やかな得点シーンを思い描かないと意味がない。
③の状態をイメージすれば、②さらに①とやるべきことが見えてくるはずだ。

ところが、広告とかPRとかコミュニケーションを生業(なりわい)にしていると、ついつい「働きかける」「伝える」が仕事だと錯覚を起こす。
PRで言えば「記事が出ました!」「番組取り上げられました!」と喜んじゃう。
でも、それじゃ不十分ということだよ。

落ち込むな、ワタナベ。
喜んじゃいけないなんて言ってないだろ。
PRだから、ねらい通りに露出を獲得できれば、大いに喜んでいい。
但し、それは3つあるハードルの最初の難関を突破したということでしかない。
ゴールから逆算した通りに、相手に理解されたか、相手の気持ちは動いたのか。
その反応、反響はあったのかまで考える必要がある。

ワタナベ、もう1つ注目して欲しいのは、①②③では、コミュニケーションの主体が変わっていくということ。
①ではAさんが、自分主体でコミュニケーションを考えている。
②では、主体がAさんとBさんの二人になっている。
つまり双方の関係性がコミュニケーションの主体になる。
③では、働きかける相手のBさんをコミュニケーションの主体に考えている。

そして、ワタナベ、PRの発想で言えばな、③を実現するためにBさんにコミュニケーションする(働きかける)のは、必ずしもA<さん本人である必要はない。
仲間と一緒になって、寄って、たかって、Bさんをその気にさせればいい。

つまり、「+n」の発想だ。


と、ここから先は、また次回、オランダ戦の後に話をしよう。