企業情報&プレスリリース スタッフコラム

■2009年 12月25日

第2回 統合型マーケティングを実践する上でのネット業界の役割

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株式会社3i
プロデュース局 局長 エグゼクティブ プロデューサー
大谷賢太郎

ネット業界の変遷

この業界を紐解く上で、一般家庭へのPCやOSの普及の経緯から振り返る必要がありそうだ。

1993年にマイクロソフトが16ビットのPC向けにMS-DOS 6というOSを単体販売し、このOS上で起動するWindows 3.2というウィンドシステムがブレイクした事により、ウィンドウによるGUIやマウスでの操作が一般化し、コマンドプロンプトにコマンドを与えて操作をするという煩わしさから開放された。さらにジャストシステムの一太郎やマイクロソフトのWordなどをインストールして、ワープロ機が要らなくなった。

1995年にWindows95が発売されたあたりから、自宅でインターネットを始める人が徐々に現れ、1996年にソフトバンクがYahoo!Japanを日本に設立し「ポータルサイトの時代」が始まり、1999年には約2700万人、2000年には約4700万人、2001年には約5600万人と株式市場におけるネットバブルが弾けた後も順調にインターネット人口が増加していき、Windows というOSを制したマイクロソフトがネットスケープに対して「ブラウザ戦争」に勝利しブラウザのシェアを独占していった。

また、当時ダイアルアップ接続が主流であった環境も2001年にはADSL接続が1万6千回線→150万回線と1年で約100倍も普及し「ブロードバンド元年」といわれた。さらに、2003年12月末には1000万回線を突破した。

今年総務省が行った調査によると2008年末時点でのインターネット利用者数は9091万人に達し、約4人に3人がネットを利用している。その中でも携帯端末での利用者数は、2005年においてはPCを一度抜いており、2008年は「モバイルインターネット元年」と言われている。ここ最近のiPhoneを初めとするスマートフォンの契約増加も鑑みるとモバイルとPCはボーダーレス化していく事がうかがえる。

(図1)

今やネット企業というとgoogle・amazon・Facebookなどキープレイヤーをはじめ国内では、Yahoo!・楽天・mixiなどがインターネットサービス提供者としての地位を確立し、ネット産業というポジション・経済・雇用・ライフスタイルなどに少なからず影響を与えている。

一方、ネット関連の受託企業は、ホームページ制作代行屋さんという時代を経て、2000年あたりから、SIPS(Strategic Internet Professional Service)「ビジネス戦略」「Webデザイン」「情報システム」3つの要素の専門性を兼ね備えた業態が提唱され、人材採用も積極的になり、各業界のキャリアを持った人が参加し始めた。

2003年のブロードバンド普及にともない、生活者や企業のネットに対する意識が上がり、「ビジネス」「ユーザビリティ」「システム」の各業態の専門性がさらに必要となり「コンサルティング会社」「WEBデザイン会社」「システムインテグレーター」などネットビジネスに関する役割分担が進み、SIPSという言葉は使われなくなった。

その後、WEBインテグレーターを標榜する企業も現れ、企業サイトへのスタイルシートの導入やW3C対応などWEB標準化を推進するとともに、アクセス解析、リスティング広告、SEO対策も含め総合的にWEB構築コンサルティングをする方向で業態変化が進んだ。

「情報ビックバン」によるコミュニケーション手法の複雑化と統合型マーケティングの必要性

このインターネットの普及にともなう「情報ビックバン」により、生活者が選択可能な形で提供された情報の総量は、ここ10年で約500倍になり生活者は情報の消化不良を起こし、一方的に情報を受ける時代から情報を選択しネットで検索・共有する時代に突入した。これにより生活者に対するコミュニケーション手法が複雑化してきた。

そのような環境の中で、広告クリエイティブと合わせて、インテグレートが提唱している情報クリエイティブの手法で公共性や権威性の高いソーシャルコンテンツを開発し、生活者やメディアにとって有益な情報として選択してもらい、広告と合わせてカバレッジを上げるとともに中立的・客観的な第三者からも情報発信していくマーケティング手法が注目されている。

また、生活者のメディア接触が複雑化する中で、広告とPRはマス4媒体(TV・新聞・ラジオ・雑誌)などAbove The Lineから店頭・SPツール・ネットなどBelow The Lineまで生活者へ届けるメッセージを統合する必要性が益々高まっており、ネットメディアだけに言及してみても、「自社メディア」「広告メディア」「ソーシャルメディア」3つのネットメディアの統合と解析が重要となっている。

自社メディア(Owned Media)×広告メディア(Paid Media)×ソーシャルメディア(Social Media)

(図2)

・自社メディア(Owned Media)
企業サイトの自社メディア化が進んでおり、エンタープライズ企業のサイトは月間で数十万、数百万のPV(ページビュー)ものアクセスを稼ぎCMS(コンテンツ・マネジメント・システム)などのテクノロジーにより、リアルタイムで情報配信可能なメディアとして機能している。また、顧客データなどからニーズにきめ細かく対応したCRM(顧客囲い込み)を行う事が可能だ。

・広告メディア(Paid Media)
公共性・権威性の高いマス4媒体は広告価値を露出量で測ることができたが、誰もが情報を配信可能なWEBサイトでは露出量はあまり価値を持たず、どれだけコンバージョンしたかに議論が終始する傾向があり、多くの企業が、成果の計りやすいリスティング広告・アフィリエイト広告に出稿している。また、行動ターゲティング広告などOne to Oneマーケティングを得意としている。

・ソーシャルメディア(Social Media)
Web2.0やPR2.0とうい概念に象徴されるように、インターネット上の様々なコメントやニュースが生活者サイドや企業サイドから配信されている。

マスメディアで配信された情報は、ポータルサイトでも配信され、個人のBlogやTwitterなどニッチなメディアにもロングテールでの広がりをみせている。また、限られたPRスタッフが限定的なメディアにニュースリリースを届けるメディアリレーションベースの個別対応的なPR手法からニュースデータのファイルをロングテールなメディア含め広範囲なメディアにリアルタイムで配信することが可能となった。

(図3)

また、広告やPRの反響分析として、Buzz解析を使ったポジ・ネガ分析やキードライバー分析の結果を調査データとしてマーケティング活動にフィードバックしPDCAサイクルを回していく手法などは、ネットならではの特徴を活かしたマーケティングデータの分析手法と言える。

これらデジタル領域におけるマーケティングテクノロジーをいかに広告クリエイティブや情報クリエイティブなどコミュニケーションの全体戦略と組み合わせるかは次世代型のマーケティング手法の鍵になり、デジタルマーケティング領域の実践はWEBインテグレーターやインタラクティブエージェンシーが得意とする領域である。

(図4)

Web2.0×PR2.0の事例

弊社で取り組んだ事例をもとに少し触れてみたいと思う。

“eシアター”というエンターテイメント映像を有料で日米にライブ配信する日本初の劇場サイトの新規構築とプロモーションに携わった。

弊社で担当した業務は下記5点である。

1、WEBサイトの新規構築(デザイン・アプリケーション開発)、ブランドロゴの開発。
2、国内主要ポータルサイトへの記事提供。
3、国内及び米国の媒体に対するニュースリリースの配信。
4、リスティング広告管理とターゲティングメール広告。
5、ダイレクトメールの制作、チラシの制作。

WEB構築をはじめ、ネットPRやネット広告を活用しながら、コンテンツの開発→PR(ニュース提供)→広告(ネット・SP)までトータルで携わり、結果として短期間で191件(国内49件、米国142件)のメディアに記事として掲載され、オーガニックでのBlog、mixi、Twitterなどへの波及があった。また、事前にネットメディアに対してニュース配信をする事により、Google Adwords コンテンツマッチ広告のカバレッジが上がり、表示回数増加やクリック数の増加に寄与した。

(図5)

最後に

統合型マーケティングを実践する上で、自社メディア(Owned Media)×広告メディア(Paid Media)×ソーシャルメディア(Social Media)の3つのメディアをいかに組み合わせてグランドデザインするかという視点が重要である。
この領域をプランニングするプレイヤーとしては、WEB構築コンサルティング・ネット広告代理・アクセス解析・Buzz解析の知見を持ったWEBインテグレーターやインタラクティブエージェンシーがネット領域に限定すると近い。
しかし、ネット領域では生活者への認知・興味は担えないのでマス広告やPRを駆使して、マスメディア露出をする事が前提となる。

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