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カスタマーセントリックな
"売れ続ける"ストーリーづくりとは
「カスタマーセントリック思考」出版記念インタビュー
(執行役員 三宅隆之)

2016年7月5日、インテグレートCEO藤田、執行役員 三宅・村澤の3名による共著「カスタマーセントリック思考」(宣伝会議)を発刊いたしました。“カスタマーセントリック”な売れ続けるストーリーづくりとは?執行役員の三宅が、初の著書に込めた想いを語ります。

「カスタマーセントリック思考」
-真の課題発見が市場をつくる-

株式会社インテグレート 代表取締役 CEO 藤田 康人[編著]
執行役員 三宅 隆之 、村澤 典知 [著]

顧客の顕在ニーズを刈り取るだけで、新たな需要の創造ができていない。そんな悩めるマーケターに、いま必要なのは、 消費者の心の奥にある、彼ら自身も気づいていない本音をつかむこと。そして、企業内にカスタマー・セントリック(顧客中心主義)の考え方を根付かせること。 戦略を決定する際、社内事情にとらわれていませんか。
意思決定の基準を「顧客」に置き、イノベーションを起こすためのメソッドをお伝えします。


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カスタマーセントリックな”売れ続ける”ストーリーづくりとは「カスタマーセントリック思考」出版記念インタビュー(執行役員 三宅隆之)

三宅さんのご経歴と現在のお仕事について教えてください

91年に今のアサツー ディ・ケイの前身である旭通信社に新卒で入社しました。まずマーケティング(現ストラテジックプランニング)の部署に配属になり、13年間ほどその部署にいました。菓子・ビール・車・製薬・オーディオ・不動産・カメラ等、幅広い商材に携わり、リサーチベースでのコミュニケーションの方向性を提案するという業務を中心に、ネーミング開発、デザイン開発、ブランド開発、顧客属性付きPOSデータの活用による販促提案などの仕事にも関わっていました。

その後、2年間アサツーディ・ケイの広報を担当。業界紙で広告を打ってもなかなか効かないのに、パブリシティで小さな新聞記事が出ただけで多くの問い合わせがくるという経験をし、PRの可能性を強く感じました。06年当時、広告とPRをどちらも分かる人はあまりいなかったのですが、広告だけでは限界が来ていると思い、上手く組み合わせていけないかと模索するようになりました。そんな時に代表の藤田や、インテグレートグループのPR会社であるコムデックスと出会い、転職を決めました。

インテグレートでは、最初の2年間はアカウントプランナーを担当していました。その後現在に至るまで、インテグレート独自のマーケティング・ストーリー開発のメソッドである情報クリエイティブ(iCR)を専門として、消費者のインサイト発掘から、消費者のパーセプション(認識・理解のされ方)をクライアントのブランドにとって望ましいものへと転換していく文脈・ストーリーの開発をしています。


タイトルの「カスタマーセントリック思考」とはどういう意味でしょうか?
また、それが必要になってきた背景は?

インターネットによる情報量の爆発的な増加により人々の「認識」が多様化している

カスタマーセントリックとは、消費者を知り、消費者が何に影響を受けているのかを知り、その消費者を中心とした全てのステークホルダーのインサイトを含めて深堀していくこと。そしてマーケティング戦略策定や意思決定の基準を、そこで得られたインサイトに置くということです。

「お客様は神様」という思いはもちろん大切です。しかしそれは、「お客様の言いなりになればいい」とは違います。自社の顧客がなぜ購買に至っているのか、非顧客がなぜ購買に至らないのか、その気持ちの変化・行動の変化を知っていくことが重要です。

人間の「認識(パーセプション)」というのは何か発信されたものを受信して、はじめて生まれます。そもそも前提としてその商品に対する「認識(パーセプション)」が強くあるのか、ないのか。あるならば、それはどこのどんなインプットを得てそうなっているのか。それを構造的に知ることがカスタマーセントリックの第一歩だと考えています。

「認識(パーセプション)」はテレビ番組や新聞/雑誌記事などのマスメディア、店頭をはじめとした流通、専門家の発言や発表など、さまざまなものから得た情報から複合的につくられていきます。しかし、インターネットの普及により、情報量は爆発的に増加。しかも現代は更に、ソーシャルメディアなどを通じた友人・知人からの推奨という要素が強く関与してきますよね。この変化により人の「認識」をつくる要素がますます多様化しているため、その複合的な要素を分解して、何が足りないのかという差分とそれが生じている背景を丁寧に見ていかないと、消費者が本当に欲しいと思っているものには辿りつけなくなっているのです。

マーケティング・ストーリーを描くプロセスにおいて、陥りがちな失敗はありますか?

消費者の視点から深く考えることがなく、プロダクトアウト発想になりがち

そもそも、今の日本国内は構造的にモノが売れない状況にあります。近年、日経トレンディで年末に発表されるヒット商品ランキングを見ていても、特定の商品ではなく体験やカテゴリーでのランクインが増えてきていますよね。人口動態的にも消費IQ的にも成熟し、人々はお金を使う=楽しい・心が豊かになる・便利になる、という発想ではなくなっているように思います。だからこそ、どう伝えれば「自分に必要なものだ」「自分の欲しいものだ」と思ってもらえるかを、消費者の視点から深く考えなくてはならないのです。

しかし、その商品に深く関わり、その商品のことを強く考えれば考えるほど、この商品はこんないいところがあるのだからきっと売れるだろう、などと見方が甘くなってしまうことがよくあります。これは、クライアント側の担当者もそうですし、私たちパートナー側も同じです。その誘惑に駆られず、「本当にこの伝え方で売れるのか」「消費者に欲しいと思ってもらえるのか」常にフラットな目で判断していくことが必要だと、自分自身にも言い聞かせています。

いい商品をつくろう、いいプロジェクトにしようという熱意はとても大事なのですが、それが行き過ぎると、つい自分たちの伝えたいことばかりをコミュニケーションメッセージに乗せてしまいがちです。
そこで冷静に「自社の伝えたいこと・優位性」と「消費者の聞きたいこと・解決したい欲求」の合流地点を見つけていくことが重要なのです。

消費者の認識(パーセプション)や行動(ビヘイビア)に変化を起こすために大切なこととは?

「へぇ(気づき)」と「なるほど(納得)」をつくりあげていくのが鍵

パーセプションチェンジやビヘイビアチェンジは、基本的には「気付き」と「納得」で起きると考えています。まず、「今まで常識で思っていたことが実は違うんだ!」「へぇ」という気付き。ただ、多くの人はさすがにそれだけで簡単に信じたりしません。それを裏付けするエビデンスを見ることで、「なるほど」と理論的にも納得します。この2つが揃わなければ認識や行動の転換は起こりません。世の中の一般的な話から、購買につながる話まで、どうやってその「へぇ」と「なるほど」をつくりあげていくかが鍵になるのではないでしょうか。

こういうお話をすると、「理論的にはわかるけど、実際業務を行う際になかなか顧客視点に立つことは難しい」と言われることが多くあります。それはもちろんその通りだと思います。だからこそ、消費者をはじめ、関係するステークホルダーに直接聞いていくべきなのです。ただし、「なぜ買いましたか?」「これを欲しいと思いますか?」という結論だけを聞いても何も分かりません。彼らは正解を言えるわけではありませんから。

元々その商品(ブランド)についてどう思っていて、それが何に触れたことでどう変わったのか。大切なのは、その背景や過程を掘り起こすことにあります。総論で大きく見ているだけだと絶対に分からないことがあるので、困ったらミクロに聞いていき、購買者と非購買者の違いはどこにあって、それが何によって生まれているのかという差分を見ていくことにとても意義があると思います。今回執筆した書籍では、その細かい背景や行間の読み方のコツというか、ルールのようなものを具体的に書いています。

最後に、執筆に当たっての思いと、これから読んでくださる方へのメッセージをお願いします

マーケティングに携わる方々の頭の整理のキッカケになってほしい

さまざまなクライアントさんと、インサイトを深堀していくプロセスをご一緒させていただくうちに、だいぶ分かることが増えてきたように思います。人がどう動くのか、どう考えるのか、普遍的に人間が持つ欲求の法則やポイントがつかめてきました。

しつこいようですが、「この商品には信頼感がない」という結論だけでは何も生まれません。背景にある「信頼感がない」と思うに至ったプロセスを分析し、ある一つの概念・思い込み・プロセスを変えれば劇的に印象が変わるのか、今まで知らなかった新しい常識・話を伝えれば変わるのか、その判断をしていくことが重要です。

本書では、自分の経験を積め込んだ集大成だと思って、インテグレートが積み重ねてきた知見から得られたインサイト発掘プロセスやルールについて体系化し、細かく説明をしています。決して新しく斬新な考え方を打ち出しているわけではありませんが、マーケティング領域で色々とチャレンジをされていて行き詰まっている方、なんとなくもやもやしている方の頭の整理になればいいなと思っています。そして、これを読んだ方がどう考えているのか、どう思ったのか、お話を聞いてみたいので、機会があればぜひご感想をいただけると嬉しいです!(笑)


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