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カスタマーセントリックなマーケティングとは
「カスタマーセントリック思考」出版記念インタビュー
(CEO 藤田康人/前編)

インテグレート CEO 藤田、執行役員 三宅・村澤の3名による共著「カスタマーセントリック思考」(宣伝会議)を2016年7月5日に発刊いたしました。”カスタマーセントリック思考”とは?なぜ今、それが必要なのか?代表の藤田が、書籍に込められた想いを語ります。

「カスタマーセントリック思考」
-真の課題発見が市場をつくる-

株式会社インテグレート 代表取締役 CEO 藤田 康人[編著]
執行役員 三宅 隆之 、村澤 典知 [著]

顧客の顕在ニーズを刈り取るだけで、新たな需要の創造ができていない。そんな悩めるマーケターに、いま必要なのは、 消費者の心の奥にある、彼ら自身も気づいていない本音をつかむこと。そして、企業内にカスタマー・セントリック(顧客中心主義)の考え方を根付かせること。 戦略を決定する際、社内事情にとらわれていませんか。
意思決定の基準を「顧客」に置き、イノベーションを起こすためのメソッドをお伝えします。


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カスタマーセントリックなマーケティングとは|「カスタマーセントリック思考」出版記念インタビュー(CEO 藤田康人/前編)

タイトルの「カスタマーセントリック思考」とはどういう意味でしょうか?

企業における意思決定の基準を"顧客"に置くこと

端的に言うと、消費者のインサイトを正しく理解し、それに基づいて「企業が、どの戦略や戦術を実行するかという、意思決定の基準を顧客に置く」ということです。

もちろん昔から「お客様は神様です」「お客様第一」という考え方は日本企業にありました。お客様を中心においてお客様の望むもの、お客様の満足を目指すということにおいて、その想いは同じです。

ただ、その企業理念と「お客様の言いなりになる」ことは違うと考えています。

消費者は、すでに顕在化しているニーズについては言語化して企業に伝えることが出来ます。しかし、市場創造・需要創造ということになると、消費者はその需要を明確に表現したり、イメージしたり、言語化することは難しいでしょう。「電話とパソコンどちらもいつも持ち歩くのは大変だな」という思いは言語化できても、「スマートフォンが欲しい」とは明確に出てこないということです。

消費者が持つ潜在的なインサイトを正確に捉え、その本質を明らかにしていくことで、自社の商品やマーケティング戦略との合流地点を見つけていく。どういうアプローチで、どんな表現で説明すれば、商品のよさが伝わるのか、そして買ってもらえるのか、消費者のインサイトを起点として考えることが重要だと考えています。


なぜ今、「カスタマーセントリック思考」が必要とされているのでしょう?

加速度的に増えた情報"量"と情報"接点"によって購買行動プロセスは多様化

モノと情報が溢れている現代において、消費者が購買行動を起こすには様々なことが影響しています。

デジタルが普及する以前は、商品も情報も限られていました。そのため、画期的な商品さえあれば、認知⇒理解⇒購買と、短いパスで購買まで導くことが出来ました。しかし、インターネットやモバイルデバイスが普及し、ここ15年くらいで加速度的に、情報量と情報接点が増え、消費者の購買行動プロセスは多様化してきました。

もはや多くの人に認知さえしてもらえれば買ってもらえるという時代ではありません。

デジタルの進化によって、顧客インサイトを中心としたマーケティングが実現可能に

一方、デジタルの進化によって、顧客のカスタマージャーニーを可視化することが出来るようにもなってきました。
お客様が、購買までにどんなジャーニーをたどっているのか。どんな情報に接した時に購買へ至るのか。DMPの導入などによって、以前より顧客の購買行動について綿密に調べることが可能になっています。

しかも、顧客自身のペルソナは1つでなく、その人の置かれたシチュエーションやモーメント(瞬間)次第で、判断基準が変わってくる。その複数あるペルソナも捉えることが出来ます。

さらにスマートフォンを中心として様々なモバイルデバイスが普及したことにより、そのモーメントを捉えて、リアルタイムに企業側から働き掛けることもできるようになってきました。

そんな状況を考えると、改めて「顧客を知り、そのインサイトを中心にマーケティングを考える」ということをしっかりとマーケティングの軸に置きなおす必要性があると思っています。

顧客や消費者を知り、隠れたインサイトを捉えていくことは、もちろん簡単ではありません。しかし、何も彼らの全てを知る必要はないのです。
どんなお客様が、最もその商品やサービスに適しているのか、それを見つけるところから積み重ねていくことが大事です。

実際にどういったケースでつまずかれているクライアントが多いのでしょう?

認知と効率追求だけでは"売れ続ける"ことには届かない

「色々な施策を試しているが、期待通りの効果が出ない」と悩んでいるクライアントさんの多くが、次の2つのどちらかに陥っているように思います。

・とにかく認知をあげることで購入してくれる人の数も増やすという、旧来的な歩留まり型の戦略設計
・すでに購買意向を持つ人たちをターゲットにA/Bテストを繰り返し、購入を増やすという刈り取り型の戦略設計

たしかに、前者は大きな需要をつくるという意味で"売れる"には機能していますし、後者は顕在化している需要を確実に購買に結び付けるという意味で必要なのですが、"売れ続ける"ということを考えた時に、どちらかに偏った戦略は効率がよくありません。

いかに「買いたい」と思ってもらえるマーケティング・ストーリーをつくれるか

大切なのは、顧客や消費者を知り、その人たちに「買いたい」と思ってもらえるマーケティング・ストーリーをつくること。

そのために、どういう調査設計をすれば本質的なインサイトに触れられるのか、調査で数多の発言からどこをピックアップすればよいのか、そこからどうストーリーに落とし込んでいくのか。消費者の元々あるパーセプション(認識)を変えるにはどうすればいいのか。
それが出来てはじめて、認知⇒理解⇒接触⇒購買というプロセスにおいて、どこにどれだけアプローチをすればいいのかが見えてくるのです。

キャンペーン単位で売りの山をつくり、それをやり続ければ、結果として"売れ続ける"ことになる、実際にはそんなマーケティングを行っている会社が多いように感じます。
しかし、まったく興味のない消費者を振り向かせて購買まで持っていくのはかなり難しく、コストもかかります。その商品が解決できる悩みを今持っている人に「この商品がぴったりだ」と気づいてもらったり、すでに1個買った人に2個買ってもらうほうが、はるかに獲得コストが低く効率的です。

顧客を知り、本当の意味での「カスタマーセントリック」を実現することは、需要を創りその需要を効率的に購買へ結び付けることにつながると考えています。

最後に、執筆に当たっての思いと、これから読んでくださる方へのメッセージをお願いします

「顧客を知り、顧客を中心に考えて戦略を決定する」
「企業の言いたいことを伝えるのではなく、消費者の聞きたい形に変換して伝える」

モノが売れないと言われて久しい今、こういったマーケティングの在り方についての論調は多く語られていることかもしれません。

しかし、現実に様々な企業のマーケティングのお手伝いをしていると、認知至上主義で戦略を設計するケースや、顕在化しているニーズの刈り取りに終始するケースは、未だに少なくないと感じます。

特に、デジタルの普及が目覚ましいここ10年ほどは、いかにオプティマイズ(最適化)するかという視点に解決の方向性を集約してしまうケースが急増しています。

しかし、商品の機能競争は行き着くところまで行き、日本市場は成熟化。近隣諸国の目覚ましい秘術発展をみても、競争は激化し、需要は右肩下がりに減少していくことは確実です。

「売れ続ける仕組み」を実現するためのマーケティングとは何かを一緒に考えたい

顕在化したニーズを捉えるだけのアプローチでは「売れ続けるための仕組み」にはなりえません。
こんな時代だからこそ、もう一度「カスタマーセントリック」なマーケティングとは何か?いかに実現していくか?マーケティングの実務に関わる皆さんと、一緒に考えたいと思っています。

私がインテグレートを設立して9年間、色々な課題に仲間と共に挑戦してきた中で見つけた、インサイトの把握、需要創造するストーリーのつくり方、そしてその実行方法についてのメソッドをこの書籍にまとめました。

部署の冠に“マーケティング”と付いている方はもちろん、商品企画や販売促進、宣伝、広報、営業など、何かしらマーケティングに接点のある方。現在マーケティングの仕事に取り組まれ、そこに課題意識を持っている方。そんな方々に手に取ってもらえたら嬉しいと思っています。


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